発行国：チャド
発行年：2022年
素材：999 銀 （fine silver）2 oz , 999 銅 33.5 oz
重量：約 1107.5 g（35.5 oz）
直径：110 x 145 mm
発行枚数：500 枚

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500有余年の時を経てコイン上に再現されるルネッサンス芸術の集大成としてのダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」

中央アフリカのチャド共和国がリリースする「ルネッサンス絵画シリーズ」は、西洋絵画の名品をコインのデザインとして紹介する画期的な企画です。今回ご紹介させていただく作品は、パリのルーブル美術館所蔵の世界的至宝、ルネッサンス期イタリアの大家レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「モナ・リザ」をコイン上に描く同シリーズの代表作です。当コインのオリジナルであるこの名画は「ラ・ジョコンド」とも呼ばれ、当時実在した女性をモデルとして1503年から1506年にかけて制作されたと伝えられています。ポプラ板に油彩で描かれたこの作品は、生前ダ・ヴィンチが最も愛していた作品としても知られ、フランス国王フランソワ1世の宮廷画家としてフランスに渡った時に作者のダ・ヴィンチと共にイタリアを離れたと言われています。その後フランス革命の戦火を潜り抜け、ナポレオン1世による所有を経て、現在はフランスの国有財産としてルーブル美術館にて常設展示されています。ルネッサンス絵画の粋を極めたこの女性の上半身のみが描かれた作品は、しばしば「謎」と表現される主題の不確かさ、余りにも大きな画面構成、立体描写のきめ細やかさ、そしてだまし絵の技法に通ずる独特のニュアンスなど、数々の特徴を備える選りすぐりの名作であり、その時代を超越する神秘的な美しさは制作後500年以上の時を経て現代へと継承されました。ルネッサンス期に描かれた絵画としても極めて斬新であったこの作品は、今日に至るまで人々を魅了し続け、数々の研究の対象ともなってきました。フランスにわたってからもこの作品に加筆し続け、終始変わらぬ愛情を注いだとされるダ・ヴィンチですが、未完のまま遂に筆を置き、イタリアへの帰国を急いだと言われています。1911年8月21日の盗難事件は、この歴史的に名高い名画の名声を決定づけました。犯人はイタリアの愛国主義者ヴィンチェンツォ・ペルージャで、イタリア人ダ・ヴィンチによるこの作品はイタリアにあるべきである持論の下に犯行を企てます。2年後にウフィッツィ美術館の館長に売却の話が持ち掛けられた時に犯人逮捕に繋がり、作品は再びルーブル美術館へと移送されることになりました。数えきれないほどの伝説と共に500年もの時を経てフランスの至宝として21世紀に受け継がれた「モナ・リザ」。その栄光の歴史がこの度、当コイン上に蘇ったことは誠に喜ばしい限りです。原作の精妙な美しさはそのままに、その神秘の微笑をコイン上に再現することは至難の業に他なりません。民間の造幣機関である「ゴールド・アンド・シルバー・ブリオン・カナダ」による21世紀ならではのハイテクノロジーがその難題を克服し、作品の古典性と掴みどころの無い無防備な美しさを再現することに成功しました。当コインはファインシルバーを主原料とするものですが、「バイ・メタル・マックス」と名付けられた特殊加工、金メッキのフレーム、そして立体的な浮彫技法等を特徴とします。裏面にはダ・ヴィンチの自画像が描かれており、この一世一代の天才の才能と功績に祝意を捧げています。全世界500点限定にてリリースされる当コインは、世界中のコイン愛好家の秀逸なコレクションに加えられるべき究極の一枚として今日、遂に日の目を見るに至りました。